2002年11月16日と22日に都内某所にて、
桑島法子さんの朗読部分の収録は行われました。


「銀河鉄道の夜」は、宮沢賢治作品の中でも長編です。読むのには難易度が高いことで知られています。

 12月19日発売ということで、スケジュールに余裕のない現場としては、
桑島さんのここ一番の朗読にかけるしかありません。
岩手に生まれ、幼い頃から賢治作品に慣れ親しんできて、今もライフワークとして賢治作品を追いかけている桑島さん。

彼女ならきっとできるに違いない。

半ば願いに近いこの思いは、実物の彼女を目にしたとき、ややトーンダウンします。
収録にやってきた桑島さんの印象はどこにでもいそうな感じの大人しそうな女の子。
大丈夫?果たして「銀河鉄道の夜」のような難易度の高い作品を読みきれるのだろうか?
不安が胸をよぎりました。

ところがです。
収録をはじめてみると違うのです。

さっきまでの大人しい女の子はどこへ行ったのかと思うばかりです。
身にまとう雰囲気から何から大きく変わった「桑島法子」が現れるのです。
「演技者」としての「桑島法子」が、まさに躍動し始めました。
「銀河鉄道の夜」のストーリーの中で、次々と登場人物が切り替わります。
その都度に、全ての人物を全くの別人として見事に演じ分けていきます。
それも、ごく自然に軽々と。

さっき出てきたジョバンニが次に出てくるときには、ちゃんと前のジョバンニの心情を受け継いで出てきます。
それまで、しばらく別人を数人表現していたとしてもです。
小さな頃から形作られてきた「銀河鉄道の夜」の各登場人物が、自分の中に存在していて、その出番がくると、自然に、中から飛び出だしてくるんだとおっしゃっています。

確固たる実力と天与の才能がなければ、決してなしえないであろうその表現力。
現場にいて、とんでもないものを目にした感が強く強く印象に残りました。

収録には、イラスト&ムービーの作者として参加しているKAGAYAさんも
かけつけてくれました。


いかがでしたでしょうか。

このページでは、「銀河鉄道の夜 TYPING」の制作風景を紹介していきます。
みなさまが普段あまり目にされることのない、ソフト制作の現場を楽しんでいただければと思っております。

次回は、KAGAYAさんの作品に対するこだわりがひしひしと伝わってくる印刷所での立ち合い風景を予定しています。
お楽しみに。

 

第 1 回 「桑島法子さんの朗読風景」
第 2 回 「KAGAYAさんの印刷所立ち会い風景」
第 3 回 「賢治の里を訪ねて〜岩手県・花巻の風景」(1)
第 4 回 「賢治の里を訪ねて〜岩手県・花巻の風景」(2)
第 5 回 「賢治の里を訪ねて〜岩手県・花巻の風景」(3)
第 6 回 「仕事場拝見〜KAGAYAスタジオ編」
第 7 回 「仕事場拝見〜サイバーアーツ編」